網入りガラスにヒビが入る!?

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さて、トリビア第二弾はワイヤー入りのガラスに、いつの間にかヒビが入る事についてです。

何もぶつけた覚えが無いのに、いつの間にかワイヤー入りガラスにヒビが入っていた経験はありませんか?

また、なぜワイヤー入りガラスが使われているのでしょう?

 

今回は、その謎を解明いたしましょう。

 

 

ワイヤー入りガラスの種類

 

ワイヤー入りガラスは大きく分けて6種類あります。

斜めの網が入ったもの、縦横目の網が入ったもの、直線のワイヤーが縦あるいは横向きに入ったもの、そしてそれぞれ透明なタイプと型板(くもり)タイプの計6種類で下図の様に呼ばれています。

厚さは一般的には共通の6.8mmとなっています。10mmの物もありますが、ビルなどに用途が限られています。

 

ワイヤー入りガラスの種類 

さて、なぜワイヤー入りガラスは何もしていないのにいつの間にかヒビが入ったりするのでしょうか?

 

その原因は主に 

 

熱割れです

 

熱割れとは?

ご説明します。

 

マンションを例にした下の絵をご覧ください。

冬に多いのですが、夜間の低い気温でガラスの温度も下がっている状態で朝を迎え、ガラス面に日差しが当たります。

 

すると、ガラスは暖められて膨張するのですが、ベランダの手すりや屋外構造物などの影が差す部分は温度が上がりません。

そうなると部分的な膨張度合いの違いからガラスにひずみや捻じれる力が働きます。

 

影が差しこまない場合でも、ガラス周辺のサッシに隠れている部分と露出している部分で、やはり膨張度合いに差が生じるので少なからずひずみが発生してしまいます。

 

 熱割れの解説図

 

ワイヤーが入っていないガラス(フロートガラス)の場合は、この程度のひずみは問題ないのですがワイヤー入りのガラスは、ガラスの内部に異物が入っているも同然で、ガラスの分子同士の結合が弱くなります。

 

 

そしてさらに、老朽化による影響が伴います。

ワイヤーガラスのサビ

図のように、ワイヤー入りガラスの切断面にはワイヤーの先端が露出しています。

この部分が湿気にさらされて錆びてくるのですが、錆びはガラス内部まで浸食するため、ガラスの内部から膨張圧力がかかります。

すると、この部分に小さなヒビや欠けが発生します。

 

  

この状態のガラスに、太陽熱によるひずみが発生すると、そのヒビや欠けた部分が起点となり、一気に広い範囲にヒビ割れが広がるのです。

 

熱割れの特徴

 

何か物が当たってヒビが入る場合は、当たった部分を中心に放射状にヒビが広がりますが、熱割れの場合はガラスの周辺部分から発生したヒビが稲妻の様に不規則な方向に広がりますので一目でわかります。

 

 

熱割れの対策  

  1. 下線部については後ほどご説明しますが、窓の位置が延焼のおそれのある部分ではない場合や建物の場所が防火地域及び準防火地域ではない場合は、ワイヤー入りガラスである必要はありませんので、ワイヤーの入っていないフロートガラスに交換してしまえば、熱割れのリスクは非常に低くなります。

  2. ガラスの急激な温度変化と影の差し込みを防ぐ
    実際の事例で、窓際は日当たりが良いため布団やクッションなどをガラス面に接するくらいの近くに干されることがありますが、これはNGです。
    陽が当たるとガラス面の温度が急上昇し大きなひずみを発生させますので、熱割れのリスクが非常に高くなります。

    またベランダなどの場合、洗濯物の影が原因で熱割れを起こすことがあります。
    洗濯物の影がガラスに当たらなくなる程度に太陽が高い位置になってから洗濯物を干すことをお勧めします。

    エアコンの室外機がガラス面の近くにあるのもNGです。
    夏でも冬でも外気温よりも非常に高いあるいは低い温度の風がガラス面に当たるので熱割れのリスクが高まります。
    室外機設置場所を移動するか、ガラス面に風が当たらないよ様にする工夫(向きを変えるなど)が必要です。
    冬場ですと、ストーブなどの発熱器具をガラス近くに置くのもNGです。

  3. フィルムを張って太陽光を遮断する
    この場合、ミラータイプのフィルムをガラスの外側面に貼ることで、太陽熱を反射しガラスの温度上昇を防ぎます。
    ただし! 上記以外の貼り方はNGです。
    ミラータイプでも室内側に貼ってしまったり、スモークタイプなどの熱線吸収型フィルムを貼ってしまうと返ってガラス温度を上昇させてしまい、熱割れのリスクが格段に高まります。

  4. ガラスを耐熱強化ガラスに交換する。 
    屋外構造物の影が差すことなどで、何度も同じ場所のガラスが熱割れを起こすことがあります。
    そんな時には思い切ってワイヤーの入っていない耐熱加工されたガラスに変えてしまう手もあります。
    特にワイヤー入りガラスの透明なタイプは製造コストがかかるため非常に高価なので、何回も同じガラスにするよりは耐熱強化ガラスに替えてしまった方が長い目で見ればコストダウンになるでしょう。

  

そもそもなぜワイヤー入りガラスなのか? 

それは、建築基準法で定められているからです。
「防犯のため?」と思われていることが多いのですが全く違います。

以下建築基準法引用
「第六十四条  防火地域又は準防火地域内にある建築物は、その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備(~省略~)を設けなければならない。」

つまり、火災が発生した時に隣の建物や部屋に燃え広がったり、火の勢いが増すのを防ぐため、割れても崩れ落ちない様に定められたガラスにせよと言うことです。

延焼のおそれのある部分とは、図に示すピンクの部分に当たります。
ここに窓(開口部)がある場合は、防火設備として定められたガラスを使用しなければなりません。

 

延焼のおそれのある部分 

防火地域又は準防火地域は都市計画法で定められており、建物の場所が該当するか否かは各都道府県や市町村の都市計画情報のウェブサイトでも確認することができます。

 

 

以上、「網入りガラスにヒビが入る!?」のトリビアでした。

 

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